【解答】令和2年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題10

スポンサーリンク
スポンサーリンク

問1

(ア)と(イ)に当てはまる言葉を選びます。

(ア)は、「ボクシング選手は男性だろう」と頭で勝手に思い込んでいるので、「彼女」だと読み時間が長くなるつまり、理解するのに時間がかかっています。
このような、ものごとを認知するときに、経験から得た枠組みに組み込んで考えることをスキーマといいます。よって、(ア)はスキーマです。

(イ)は、「ボクシング選手」=「彼女」と文と文を結びつけているので、結束関係が築かれたといえます。よって、(イ)は結束です。

「包摂関係」とは、りんごと果物、サッカーとスポーツのような上位語/下位語の関係です。問題5の問3で出ましたね!

よって、答えは3です。

スポンサーリンク

問2

「精緻化推論」!検定でよく出るキーワードです。

  • 精緻化推論:読み取った文章から具体的なイメージを行う。何をイメージするかは人によって異なる。
  • 橋渡し推論:一見関連性のないような2つの情報を関連づけ、表現されていないことを文脈や知識から理解する。

ちょっとわかりにくいですが、重要なのは、精緻化推論の内容は人によって異なり、橋渡し理論には正解があるということです。橋渡し理論ができないと、その文章が理解できないため問題が生じます。

1 二つの文を原因と結果で関連づける
→因果関係がわからなければ、文章の内容が理解できないので、これは橋渡し理論です。

2 未知語の意味の推測
→語彙の意味には正解があるので、これは橋渡し理論です。

3 文章の大意を把握する
→大意把握は文章を読み解く上で必要不可欠です。よって。これ橋渡し理論です。

4 文章のこの後の展開を予測する
→何を予測するかは人によって異なります。例文では「彼」を推論しましたが、結果は「彼女」だったので推論は間違っていました。もしかしたら、人によっては「彼女」をイメージする人もいるかもしれません。何をイメージするかは異なるので、これが精緻化理論です。

よって、答えは4です。

スポンサーリンク

問3

「照応」・・・わたしは初めて見た言葉でした。が、漢字から意味は「照らし合わせる、対応するかな?」と推測しました。

照応:二つのものが互いに関連し、対応すること。特に、文章の前と後の文句が互いに対応していること。

大辞泉

推測した意味で、だいたい合っていました!

選択肢を見ると、「想起する」「同一人物かどうか考える」「解釈する」「想像する」とあり、「照らし合わせる」に近いのは、選択肢2の「同一人物かどうか考える」です

よって、答えは2です。

問4

「メトノミー」は比喩の一種です。他の比喩も覚えていますか?
語例と併せて覚えておくとイメージしやすいのでおすすめです。

  • 直喩(シミル、明喩):〜のような、〜みたいななど例えだとわかる語が入っている。 例:リンゴのようなほっぺ
  • 隠喩(メタファー、暗喩):「例えるもの」のみで表現し、「例えられるもの」が明示されていない比喩。 例:足が棒になった
  • 換喩(メトニミー):何かを表すのに、それと深い関係のある事物で置き換える。 例:白バイ(警察)に捕まった
  • 提喩(シネクドキ):何かを表すのに、その言葉を包摂する上位語、下位語を使う。
    例:お花見に行った(上位語:花 下位語:桜)
  • 活喩:擬人法、物体を人のように扱った比喩。 例:カメラがじっとこちらを見ていた。

( )内のカタカナで聞かれるパターンもあるので注意です。漢字なら意味が推測できますが、カタカナで書かれるとごっちゃになりますよね。

今回は「メトニミー」の例です。

1 ジョッキを飲み干す
→実際に飲みのはジョッキの中身、ビールです。ジョッキとビールは関連のある言葉なので、これが換喩(メトニミー)です!

2 週末は花見に行こう
→こう言われたら「桜を見に行くんだな」と考えます。上位語:花、下位語:桜なので、これは、提喩(シネクドキ)です。

3 友達が約束を破った
→実際に何かを破るわけではないので、これは隠喩(メタファー、暗喩)です。

4 パンのを食べる
→パンに耳はありませんので、これも隠喩(メタファー、暗喩)です。

よって、答えは1です。

問5

「理解補償方略」・・・「方略」・・・みなさん、何か似た言葉を知っていませんか?

そうです、「ストラテジー」のことです。

つまり、「理解補償方略」とは、文章のうちで理解できない箇所を補うための方法のことです。

このことを踏まえて選択肢を見ていくと、
3 分からなかった所に戻って読み直す
→まさにこれが、理解補償方略です。

よって、答えは3です。

この問題、わたしは「理解補償方略」や「内容理解方略」という言葉を知りませんでした。
でも、橋渡し理論を使って語彙の意味を考えることで、正解を導き出すことができました。

何が言いたいかというと、「検定に出た用語が全てわかった!」という人はほぼいません。
でも、今までの知識の積み重ねで解ける問題はあるので、わからない語が出てきたら似たような語はなかったか考えてみましょう!

タイトルとURLをコピーしました