【引用】についてです。
(11)
モダリティー:
文の終わりにあって、話者の意図や気持ちを主観的に表すもの。対事的モダリティーと対人的モダリティーに分けられ、対事的モダリティーは認識的モダリティーと拘束的モダリティーに分けられる。
対事的モダリティ | ~かもしれない、~だろう、~らしい、~みたい、~ようだ、~べきだ、 ~ことだ、~ものだ、~はずだ など <事柄への主観的判断> |
対人的モダリティ | ね、よ などの終助詞 <自分や相手への感情や態度> |
認識的(エピステミック)モダリティ | 〜にちがいない、はずだ、らしい、ようだ など <事態の審議> |
拘束的(デオンティック)モダリティ | 〜てもいい、〜なくてはならない など <主語に課せられた拘束> |
では、A対人的モダリティも内部に含むの例として最も適当なものはどれでしょうか?
選択肢の引用部分のモダリティーを見ていきます。
1 父は私に「もっと真面目にやれ」と叱ってきた。
→「やれ」相手への感情なので、対人的モダリティーです。
2 「田中くんの病気はすぐによくなる」と見ています。
→モダリティーはありません。
3 「彼女ならもう来るんじゃないか」と思いますよ。
→「じゃないか」は、彼女がもう来ることへのモダリティーなので、対事的モダリティーです。
4 山田先生は「生き字引」と呼ばれています。
→モダリティーはありません。
よって、答えは1です。
(12)
「引用」の例に当てはまらないものを選びます。
1 今日は息子に「店番して」とお願いしています。
→何とお願いしたか、を引用しています。
2 私はその話を「怪しい」と疑っている。
→その話をどう疑っているか、を引用しています。
3 彼女は「もう行かない」とこぼしている。
→彼女のセリフを話者が引用しています。
4 子ども料金は大人料金の半額となっている。
→事実を述べているので、引用ではありません。
例:前回の会議資料が、一部変更となります。
よって、答えは4です。
(13)
[名詞修飾節と被修飾名詞の間に用いられる助詞]として、不適当なものを選びます。
1 「との」
→彼との思い出、父との約束 成立します!
2 「って」
→田中さんって人から電話だよ、それはだめって意味? 成立します!
3 「として」
→エンジニアとして働く、観光地として有名だ 後ろは名詞ではないので、成立しません!
4 「という」
→医者という仕事、明日は休みという連絡 成立します!
よって、答えは3です。
(14)
選択肢から例文を考えてみます。
1「伝える」などの伝達を表す動詞の場合、引用節内にガ格をとらない。
→「母が呼んでいる」と父に伝える。
引用節内にガ格をとることができるので、×。
2「頼む」などの依頼を表す動詞の場合、引用節内に「〜しろ」以外も使える。
→「教科書を見せてください」と頼む。
もちろん、「〜しろ」以外も使えるので、○です。
3「言う」などの発話を表す動詞の場合、引用節内に終助詞は使えない。
→「学校に遅刻するよ」と言う。
引用節内に終助詞をとることができるので、×。
4「思う」などの思考を表す動詞の場合、引用節内にデス・マス体が使える。
→(×)花子さんはまだ教室にいますと思います。
引用節内にデス・マス体を使うことはできません。日本語学習者がよく間違える文法項目の一つです。よって、×です。
よって、答えは2です。
(15)
「ように」の使い方についての問題です。
1 発話を表す「ように」の引用節内では過去形が使えない。
→例:先生が言ったように机を並べます。
引用節内で過去形を使えるので、×です。
2 依頼を表す「ように」の引用節内では丁寧体が使えない。
→例:期日までにご返信くださいますようお願い致します。
引用節内で丁寧体を使えるので、×です。
3 命令を表す「ように」は主節を省略できない。
→例:わたしは、この部屋を掃除するように言われた。
主節は、「わたしは言われた。」従属節は、「この部屋を掃除するように」です。
主節を省略して、
「この部屋を掃除するように」
でも文は成立します。 よって、×です。
- 主節:文全体を取りまとめる主述を中心とした部分
- 従属節:文の中に埋め込まれた文
1つの文の中に2つ以上の主語-述語のペアを含む文のことを、複文と呼ぶ。
4 思考を表す「ように」の「に」は省略できない。
→例:(○)彼は何かいいたがっているように思います。
(×)彼は何かいいたがっているよう思います。
「に」を省略すると、文が成立しないので、○です。
よって、答えは4です。