外国語教授法についてです。時代の流れとともに種類が多く、とにかく覚えるのがややこしいです。「これって、現場で使うことあるの?」と思いつつ必死に暗記をしましたが、試験が終わった現在は、忘却の彼方へ消え去っております・・・
問1
文法訳読法(GTM):
文法規則や語形変化を覚えて、翻訳中心。読解力は身に付くが、会話は身につかない。
選択肢3「母語に置き換えられるようになることが外国語学習の成功を意味する」
→これは、翻訳を意味しているので正解です。「文法訳読法」の文字通りですね。
よって、正解は3です。
問2
文法の教え方についてです。帰納的とはなんでしょうか?帰納的の反対は?
- 帰納法:
たくさん事例を挙げ、これらの共通点を探し、ルール、根拠、事実を得る。
↕︎ - 演繹法:
ルール、根拠、事実を挙げ、事例がこれらに当てはまるか検討し、結論を得る。
「帰納的」な指導法として最も適当なものを選びます。
つまり、事例→ルール、根拠、事実 の流れかどうかです。
1 目標言語の実例(事例) → 文法規則(ルール)
→これは、帰納的な学習法なので○です。
2 文法規則(ルール) → ロールプレイ(事例)
→帰納法とは、逆の流れなので、これは演繹法です。
3 文法規則(ルール) → 文型の使い方(事例)
→媒介語でも目標言語でも変わりはありません。これも演繹法です。
4 文法規則(ルール) → 反復練習(事例)
→ルールとして習った文法規則を使って、練習をするので、これも演繹法です。
よって、正解は1です。
問3
コミュニカティブ・アプローチ:
正確さよりもコミュニケーション能力の育成を中心とする方法。言語の意味を重視する、フォーカス・オン・ミーニング。
コミュニカティブ・アプローチは、正しい文法形式よりも、実生活で使えるコミュニケーション力を育てることが目的です。
コミュニカティブ・アプローチについての記述として最も適当なものはどれでしょうか?
1 言語形式や構造より文脈における言語の機能や意味を重視する。
→これが、コミュニカティブ・アプローチです。
2 母語話者並みの正確な発音は重視しません。
3 母語の使用を禁止することはありません。これは、日本語で日本語を教える直接法のことです。
4 教師は補助的な立ち位置で、学習者が自分の意思で学習を進めることが大事です。
よって、正解は1です。
問4
ナチュラル・アプローチ:
幼児の母語習得過程を参考にした、聴解優先の教授法。
コミュニケーションに焦点を当て、ストレスのない学習環境を。発話を強制しない。
クラッシェンのモニターモデルの応用。
クラッシェンのモニターモデル:
1、習得学習仮説:成人が第二言語を習得するには、「習得」と「学習」の異なる過程がある。「習得」は無意識のプロセス、「学習」は意識下で行われる。
2、自然順序仮説:文法構造は、概ね予測される順序で習得される。
3、モニター仮説:目標言語を学習する際、学習者は常に自分の話していることや書いていることが正しいかどうかをチェック(モニター)している。
4、入力仮説:人は、現在のレベル「i」より少し上の「i+1」を含む言語を理解する事で習得する。
5、情意フィルター仮説:言語習得は、動機・自信・不安などの情意的要因が関与する。
「ナチュラル・アプローチ」についての記述として最も適当なものはどれでしょうか?
1 構造シラバスを採用する
→構造シラバスは、単純な文法から教える文法積み上げ式なので、ナチュラルではありませんね。よって、×です。
2 教科書だけでなく実生活で使う身近な素材も取り入れる
→これは子供が母語を習得していく過程に似ているので、ナチュラル・アプローチといえます。よって、○です。
3 学習者に積極的な発話を促す
→ナチュラル・アプローチは、聴解優先です。学習者が自然に話し出すまで、発話を強制しません。よって、×です。
4 初級よりも中級以上のレベル
→ナチュラル・アプローチは、子供が母語を習得していく過程を参考にしているので、中級よりも目標言語が全く分からない初級者向けです。よって、×です。
よって、正解は2です。
問5
「タスク中心の教授法」とは、場面と課題を与えて、それを達成するために目標言語を学習する教授法です。
1 無人島で何が必要か?という課題を与えて、リストを作成するので、これはタスク中心の教授法です。よって、○です。
2 指示に対し身体を動かすのは、「全身反応教授法(TPR)」と呼ばれるものです。
よって、×です。
3 台本をもとにセリフを読むのは、「シナリオプレイ」と呼ばれる練習法です。
よって、×です。
4 言語形式を勉強してから、インタビューをするので、タスク中心の教授法と流れが逆になります。よって、×です。
よって、正解は1です。