問1
第二言語の習得にあたり、「教室でのやりとり」と「教室外でのやりとり」を比較します。
1 正確を重視し、頻繁に誤りを訂正する
→教師による指導なので、これは「教室習得環境」です。
2 レベルよりもやや上の文法項目を段階的に取り入れて話す
→これも、教師が学習者のレベルアップを図るための手段なので、「教室習得環境」です。
3 談話のタイプが多様でインプットの量も多い
→教室の外へ出ると、習っていない言葉や文法も耳にしますよね。敬語だったり、タメ口だったり、授業で習わないようなスラングだったり・・・学習者にとってはインプットの量も多いです。これは、「自然習得環境」です。
4 質問に学習者が答え、母語話者が評価するというやり取りが多い
→教師が質問し、学習者が答えるのは教室での一般的な授業ですよね。これは「教室習得環境」です。
よって、答えは3です。
問2
- プロンプト:間違いがあることを学習者に気づかせ、正しい発話を促すやり方。
例:「昨日、海へ行きました。広いの海、きれいでした。」「広いの海?広い、はイ形容詞ですよ。」 - リキャスト:自然に学習者の誤用を訂正したものを暗示的に提示するやり方。会話の流れを止めないというメリットはあるが、学習者が訂正されたことに気づかないというデメリットがある。
例:「昨日、海へ行きました。広いの海、きれいでした。」「そうですか、広い海がきれいだったんですね。いいですね。」
プロンプトに関する記述を選びます。
1 教師が正しい言い方を示すのは、プロンプトではありません。×です。
2 学習者が正しい文を言い直さないのはプロンプトではありません。×です。
3 知らない内容については、言い直すことができないのでプロンプトではありません。×です。
4 選択肢3とは逆に、既習項目であれば、言い直すことができるので、これはプロンプトです。
よって、答えは4です。
問3
間違えやすい用語、「フォーカス・オン〜」を確認しましょう!
- フォーカス・オン・フォームズ(F on Fs):構造中心の文型練習や反復練習の徹底。
- フォーカス・オン・ミーニング(F on M):コミュニケーションのための練習、構造よりも意味を重視する。
- フォーカス・オン・フォーム(F on F):(F on Fs)+(F on M)の考え、意味を学ぶ過程で文法、音声、語彙などを学ぶ。
フォーカス・オン・フォームは、フォーカス・オン・フォームズ(構造)とフォーカス・オン・ミーニング(意味)のいいところ取りです。
言葉が似ているので、ひっかけ問題としてよく検定にでますよ〜!
1 言語形式(=FonFs)と意味・機能(FonM)を結びつける、とあるのでこれが正解です!
2 文法について話し合うだけでは習得は起きません。×です。
3 意味に焦点を当てるのは、F on Mです。×です。
4 文法項目を体系的に整理し学習するのは、F on Fsです。×です。
よって、答えは1です。
問4
「過剰般化」とは、既習の規則を他のところにも適用してしまうことです。
選択肢3 「泳いで」を「およんで」と言い間違えています。
これは、動詞をテ形にするとき、マス形の前の音が「び」「み」「に」の場合は、「ん」になります。
例:呼びます→呼んで 編みます→編んで 死にます→死んで
撥音化のルールを、「泳ぐ」にも適用していまっているので、これが過剰般化です。
よって、答えは3です。
問5
「学習者の誤りが定着化する場合」とは、どんな場合でしょうか?
選択肢を見ていきます。
1 目標言語に対して受けた指導とは無関係である
→教師が誤った内容を教えれば、学習者はそのまま覚えてしまいます。無関係ではないので、×です。
2 母語や既習語の知識が誤りの定着化に関わる
→母語の干渉が誤りの定着化に関わることを言語間エラー、学習の発達途上の知識が誤りの定着化に関わることを言語内エラーといいます。よって、○です。
3 誤りの定着化は音声面には起こるが、文法面には起こらない。
→音声面、文法面どちらにも起こります。×です。
4 上級レベルで学習した文法項目の誤りは定着化しない
→上級レベルであっても、誤りの定着化は起こり得ます。×です。
よって、答えは2です。