問1
「社会的アイデンティティ」とは、人や社会との関わりの中で、自分がどのカテゴリーに属するのかを認識することです。
選択肢1、2、4は、個人により異なるので、社会的アイデンティティではありません。
選択肢3の性や国籍などの属性は、同じ女性、同じ日本人など集団をカテゴリー分けすることができます。
よって、答えは3です。
問2
「継承語」とは、親から受け継いだ言葉です。例えば、海外へ移住した日本人の親を持つ子にとって日本語は継承後です。アメリカへ移住した場合、子供は英語を母語として育つことが多いです。
選択肢の中で、不適切なものを選びます。
1 プログラムの運営は、現在も日本語教育の専門家が行っているので、これが不適切です。
2 日系ブラジル人などは、自分のルーツに興味をもち、日本語を学ぶ人もいます。よって、○です。
3 その通りです。よって、○です。
4 世代によって対象の制限はありません。よって、○です。日本語のみならず、その背景にある日本文化の継承も目的としています。
よって、答えは1です。
日本語の継承教育は、言語だけでなくその背景にある日本文化の継承も目的としています。
問3
「コードスイッチング」とは、2つ以上の言語を話せる人が、言語を切り替えて話すことです。英語から日本語、だけでなく標準語から方言への切り替えも含まれます。
- 会話的コードスイッチング:会話の中で情報を補足したり、相手の発言を引用するために言語を切り替える。英語で会話をしているが、日本語の固有名詞はそのまま日本語で話すなど。
- 状況的コードスイッチング:その場に応じて言語を切り替える。日本語がわからない相手には英語に切り替えて話すなど。
- 隠喩的コードスイッチング:仲間意識を強めるために言語を切り替える。親の前で内緒話をするときに若者言葉で話すなど。
選択肢を見ていきます。
1 日本語で話しているときに、英語を話す友達のセリフを日本語に訳さず、そのまま英語で引用しています。例:「そのとき、メアリーが”I cannot find my wallet!”って言ったんだよ。」これは、会話的コードスイッチングです。これが、○です。
2 宗教上の儀式という状況で切り替えているので、状況的コードスイッチングです。
3 日本語が分からない相手に英語を使うのは、状況的コードスイッチングです。
4 親には分からない若者言葉へ切り替えて兄弟で話しているので、暗喩的コードスイッチングです。
よって、答えは1です。
問4
文部省が2年ごとに出している「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」を確認しておきましょう!
日本語指導が必要な外国籍の児童生徒の母語で最も多い言語は、ポルトガル語です。
約10年以上にわたり、1位はポルトガル語ですね。
よって、答えは4です。
問5
「成人の日本語学習に対する指導の際にもアイデンティティへの配慮が求められている」、つまり学習者が持っているアイデンティティを尊重しつつ、日本のことを学びましょう!ということです。
1 アイデンティティは変容します。日本語や日本文化との触れ合いが、アンデンティティに影響することは悪いことではありません。よって、×です。
2 学習者が既に持っているアイデンティティを尊重するので、無理に日本の価値観に合わせさせることはありません。これも、×です。
3 日本の価値観に違和感を持つ学習者も少なくありません。「自分の国とは違うからやっていけそうにない・・・」と挫折してしまわないように、配慮が必要です。よって、○です。
4 日本の文化や価値観を切り離して日本語を指導することはできません。よって、×です。
よって、答えは3です。