毎年、文化庁は日本語教育の概要を発行しています。
日本語教育能力検定試験では、選択式問題でよく出題されるので、まとめてみました。
【日本語学習者は大きく減少】コロナウイルス感染拡大の影響
コロナウイルスの影響により、日本語学習者は前年度の2/3以下になってしまいました。
今後は、オンライン授業がさらに活発になることが予想できるので、教師側も新しいスタイルに適応していく必要があります。
日本語教育実施機関・施設等数(国内)
国内で、日本語はどんな場所で教えられているのでしょうか?
一番多いのは、「法務省告示機関」です。
「法務省告示機関」って何のこと?
出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令の表の法別表第一の四の表の留学の項の下欄に掲げる活動の項の下欄の規定により法務大臣が告示をもって定める外国人等に対する日本語教育を行う機関。
文化庁国語課
???
つまり、日本に来る留学生に法務省管轄でビザを発給している日本語学校のことです。ビザがあると、一定範囲内で労働(アルバイトなど)が可能のため、留学生にとってもメリットがあります。
日本語教師等の数(国内)
職務別グラフ
実は、ボランティアが一番多いんです。
日本語学校は、東京・大阪などの大都市に集中していて、留学生が多くいるため、非常勤や常勤講師が多いです。
一方で、地方で暮らす外国人というのは、定住だったり、駐在員の家族など、生活に必要な日本語を学ぶ必要があります。そのため、地域のボランティアの方が、その地域のルールなどと一緒に教えることが多いです。
年代別割合
日本語教師は、年齢層が高いことがわかりますね。
これは、日本語講師は何歳からでも始められるし、何歳まででも働けるからです。定年後のセカンドライフだったり、子育てを終えた主婦の方など様々です。よく、「日本語教育は社会人経験が武器になる」と言われていますが、まさにそうなんです!
ビジネス会話を学びたい人、和食を作りたい人、日本の漫画を読みたい人、様々な理由で外国人は日本へ来ます。社会人経験が豊富にあり、人に教えるのが好き!という人にはとても向いている仕事です。
日本語学習者数(国内)
出身地域別割合
納得の結果ですね。街中やレストラン、コンビニなどで、アジア系外国人の方を見かける機会が多いので、実感があると思います。
日本語学習者数(国・地域別)
1位中国と2位ベトナムで半分を占めています。
ベトナムの学習者が多い理由としては、以下が挙げられます。
- 政治・外交における良好な両国関係
- 日・ベトナム経済連携協定に基づくベトナム人看護師・介護福祉士の受入
- 日本への親近感、日本の製品、サービス、システムへの関心や高い信頼感
また、ベトナムは人口1億人、平均年齢31歳と非常に若く、高い成長率と若者の活気がある国です。日系企業などは、ベトナムの市場の成長に注目し、事業の拡大を展開しています。
3位はネパールです。ちょっと意外な気がしませんか?
ネパールの学習者が多い理由としては、以下が挙げられます。
- 観光業が盛んのため、日本人旅行者向けに日本語学習が熱い
- ネパールの経済状況、政情不安により、日本への留学・就職希望者が増加
- 2019年から在留資格「特定技能」により就労目的での訪日希望者が増加
在留資格「特定技能」って何?
・・・今回、長くなってしまったので、次の記事でお話します!