検定試験によく出る「教授法」をおさらいしましょう。
よくわからなかった箇所を復習すれば、試験もバッチリです!
文法訳読法(Grammar Translation Method)
古典語の文法規則や語形変化を暗記し、現代語に翻訳していく方法。
長所
- 複雑な文法を正確に翻訳することで、分析能力がつく
- 学習者の独学が可能
- 翻訳によって、意味を正確に理解できる
短所
- 会話能力、発音は身に付かない
ナチュラル・メソッド
文法訳読法への批判から作られた教授法。幼児の母語習得過程を応用してつくられ、話し方、聞き方を重視する直接法。提唱者の名前にちなみ、「グアン・メソッド」と「ベルリッツ・メソッド」がある。
グアン・メソッド(サイコロジカル・メソッド)
提唱者はグアン。幼児の思考順序を適用した教授法。グアンは、聞くことが一番大切だと考えていた。山口喜一郎が台湾でグアンのシリーズメソッドを実践した。
長所
- 聴力重視
- 生徒自身の自発性による自習を重視する
短所
- 人によって思考順序に違いがあるので、習得しにくい場合がある
ベルリッツ・メソッド
会話練習を重視し、母語の使用は禁止。
⇨まさに語学教室のベルリッツのことです!
長所
- 聴力重視
- 生徒自身の自発性による自習を重視する
短所
- 目標言語がわからない初級段階ではストレスに感じる
フォネティック・メソッド
提唱者はフィートル、スウィート、イェスぺルセン。
文法訳読法と、音声学を無視したグアン・メソッドへの批判から作られた教授法。生きた音の習得を第一に考え、音声記号を意識的に学ばせる。
長所
- 正確な発音が身に付く
短所
- 正しい発音が求められるので、時間がかかる
オーラル・メソッド
提唱者は”直接法の父”ハロルド・パーマーと弟子の長沼直兄。
グアンのシリーズ・メソッドやフォネティック・メソッドを背景とする教授法。
「話す・書く」を第一次技能、「読む・書く」を第二次技能とし、第一次技能を優先し口頭練習が中心。
長所
- 口頭練習が豊富
短所
- 教師の負担が大きい
- 適切な視聴覚教具の準備が必要
アーミー・メソッド(ASTP)
第二次世界大戦中の米軍による、日本の情報収集に向けたスパイ養成学習プログラム。文化的背景・習慣なども短期間で学習する。
長所
- 短期間での習得が可能
短所
- 短期間での習得を目指すため、厳しい訓練になる
オーディオ・リンガル・アプローチ
「構造言語学」や「行動心理学」に基づいて開発された教授法。母語話者並の正確さを求める厳格な指導。「オーラル・アプローチ」や「ミシガン・メソッド」などとも呼ばれる。
学習は5段階に分かれる。
- 聞き取り練習
- 会話文の模倣、発話。
- 反復練習、ミムメモ練習
- 文型練習
- 自由応答練習
※ミムメモ練習:教師が発した「モデル文」を繰り返し復唱・暗記し、正確な発音を身に付けさせる。
長所
- 1950年代当時は、理論的で教師にとっても教えやすい教授法だった
- 口頭練習を重視
- 大クラスでも授業が可能
短所
- 教師の発話を繰り返す練習は、実際のコミュニケーションとは言えず、社会言語学的な能力は身に付かない
- 厳格な指導は、初級レベルの学習者の意欲を削ぐことになる
- 単調で機械的な授業になりがち
GMD(Graded Direct Method)
オグデンの「Basic English」を利用し、語彙を制限して書くことを中心とした教授法。口頭で提示したもののイメージ化と文字化。
長所
- 語彙数が制限されているため学習しやすい
- 日常で役立つ表現が学べる
- 初めから文字も導入するので、4技能全てを使って学べる
短所
- 語彙が制限されているので、不自然な文になる
- 専門用語や文学的な表現は学習されない
前半はここまで!後半も要チェックです。
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