クラッシェンの5つの仮説【これで納得!】

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Mai
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アメリカの言語学者である、クラッシェンによって提唱されている、第二言語習得の理論がモニターモデルです。そして、モニターモデルは5つの仮説が基盤となっています。

  1. 習得学習仮説
  2. 自然順序仮
  3. モニター仮説
  4. 入力仮説
  5. 情意フィルター仮説
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習得学習仮説

成人が第二言語を習得するには、「習得」と「学習」の異なる過程があるという仮説です。

  • 「習得」:自然に身に付く
  • 「学習」:教室指導で身に付く

「習得」は、赤ちゃんが母語を自然に覚えていく過程とほとんど同じです。みなさんは、日本語を気がつけば身につけていたのではないでしょうか?家族や周りの人の言葉を真似して、大きくなるにつれて自然と日本語がすらすら話せるようになりましたよね。これが、「習得」です。

「学習」とは、その名前の通り、勉強して身につける過程のことです。英語を身につけるために、参考書を買って文法を勉強したり、英会話教室に通ったり、主体的に学習をした経験があるのではないでしょうか?

クラッシェンは、「習得」と「学習」は互いに独立した過程で相互に作用することはないとしていて、このことを「ノンインターフェイス仮説」といいます。
たとえ英語を一生懸命勉強したとしても、母語のようにすらすら話せるようにはならない!ということです。・・・なんだか少しショックでじゃありませんか?

でも、これはクラッシェンの仮説であって、多かれ少なかれ「習得」と「学習」は関連性があるとする説もあります。これを、「インターフェイス仮説」といいます。

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自然順序仮説

文法構造を学ぶとき、学習者の年齢・母語・地域が異なっていても、習得に一定の順序があるとする仮説です。また、教室で教わる順番が違くても、ある一貫した自然な順序がありました。

1970年代の初めに、デュレイとバートという言語学者たちが、中国語母語話者とスペイン語母語話者の子供に英語取得の順序について、調査を行いました。
その結果、学習者の母語の特性に影響されず、一定の習得順序があることが分かりました。その後、大人を対象とした調査でも、同様に一定の習得順序がありました。

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モニター仮説

「学習」によって学んだ知識は、学習者が第二言語をアウトプットしようとした時に、軌道修正する役割しか果たさないという仮説です。

例えば、文章を書いたり、話し始めるまでに時間がかかる人は、モニター機能が強く働いていると言えます。モニター機能のバランスが取れている人は、頭の中で軌道修正しつつコミュニケーションをうまく取ることができます。

クラッシェンは、モニターが働くための条件が3点あるとしています。

  1. 十分な時間がある。
  2. 焦点が意味ではなく、言語の形式にある。
  3. 言語の規則を知っている。

わたしの経験では、道端で急に外国人に英語で話しかけられて、とっさに単語の直訳で答えてしまったことがありました。外国人が去った後、落ち着いて考えれば正しい英文はこれだったなあ・・・と後悔しました。
時間があれば答えられたのに焦っていてモニター機能が働かなかった、という例です。

入力仮説

言語を習得するには、現在のレベルを「i」としたとき、その少し上のレベル「i+1」をインプットすることで、習得が進むという仮説です。

この仮説では、話すことよりも理解することを重要視しています。よって、自ら準備ができるまで話すことは要求されず、誤用訂正は極力行われません。理解可能なインプットを十分に与えることで、言語は習得されると考えられています。

情意フィルター仮説

言語習得には、動機・自信・不安などの情意的要因が関与するという仮説です。

言語を習得するには、モチベーションが大切!ということです。

「英語を使って海外仕事をしたい」という強い動機や、「自分なら出来る!」という自信がある人は、習得が速く進みます。逆に、失敗を恐れたり、不安なことがあると、習得はなかなか進みません。

何か新しいことを勉強するときに、上手に動機付けをして、モチベーションを維持し続けることは大切ですよね。悩みがあるときは勉強が捗らなかったり、ヤケになってしまったり、自分の感情をコントロールするのはとても難しいですが、時には自分を甘やかしつつ、一歩一歩進んでいきましょう。

Mai
Mai

ときには、一休みも大事。 
自分なりの方法で、モチベーションを維持してきましょう!

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